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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

カテゴリー「■ づれづれ草」の記事一覧

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ひまわり・コスモス

090821.jpg 日本全国、農村地帯に、見渡す限りのひまわり畑やコスモス畑が広がる光景が珍しくない今日このごろです。休耕田の集団転作です。奨励品目のトップは大豆だけれど、手間ひまかかって金にならない。景観作物だと、あまり手がかからず、見た目が楽しい。街から見物に人が来る。補助金も出る。で、ひまわり、コスモスなのです。
 中津市のある地区では、営農組合が「日本一の面積のコスモス畑をめざす」と言っていると新聞に出ていました。
 基盤整備した立派な水田が花畑です。それはそれで美しいし楽しいけれど、その一方で、「海外に企業が資本を投入して、食料生産を」となると、ええーっ?と、思いませんか?
 国内の農地に無為に花を咲かせて、食料生産は海外で。変な話でしょ。
 農民は、もっと怒れよ!

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.19(2009.9.25発行)より転載

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鳥日記 (2009.9)

 どこを見てもサギばかりの季節はまだ続いています。
 先日、基地前の池にバンでもいないかなぁと出かけました。池の道路側の端で双眼鏡で池を見ていると、一台の車がやって来てすぐそばに止まりました。ドアがあいて、若い男が降りて来ました。見ると、迷彩服の上下。ちょっとぎょっとしました。
 男は近づいてきます。
 私の位置から池をはさんで丁度基地が正面に見えます。まるで基地を双眼鏡でのぞいているような状態です。あやしいおばさんです。
 ヤバッ。不審者と思われて様子を見に自衛隊員が来たに違いない。
 と、一瞬思いました。
 迷彩服の男はなおも近づいてきます。そして、「何か見えますか?」と言うので、「鳥です。バンがいないかと思って来てみたけど、いないみたいです」と、何だか言い訳してるみたいだなあと思いながら答えました。
 「ああ、鳥ですか。僕は雷魚を釣りに来たんですが、水草が茂っていて釣りは無理みたいですね」と言って、車に戻って走り去りました。
 自衛隊ではなかったようです。まぎらわしい服装するなよ。

chotombo.jpg 池には、ほていあおいがびっしりと茂っており、水色の花が一面に咲いていました。
 バンはいなかったけど、チョウトンボがたくさん飛んでいました。
 鳥は。サギだけ。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.19(2009.9.25発行)より転載

ブルガリアの酪農

 ブルガリアといえばヨーグルトしか思いつかないくらい、酪農の国というイメージです。そのブルガリアの酪農が壊滅の危機に瀕しているといいます。EU(ヨーロッパ連合)問題です。
 EU加盟を果たしたブルガリア。当然、農産物にもEU基準が課せられます。酪農の国ブルガリアは酪農の歴史が長いだけに、中小規模の古い酪農家が多く、乳牛の飼養方法も設備も旧式なのだそうです。
 しかし、EUの基準は厳しく、それをクリアするのは、ほとんどの農家には無理だというのです。EU基準を満たすために設備投資をしなくてはならない。補助金を受けるには「完全放牧」が条件であり、舎飼いでやってきた多くの農家は対象外となる。自己資金を用意出来る農家はとても少ない。
 というようなことなのです。
 食べるものの品質や生産方法の基準を厳しくするのは当然であるのだけれど、厳しくし過ぎて、結果として生産者を苦しめ、廃業に追い込んで行くと、単に仕事だけでなく、地域やそこで暮らす人々の文化までも壊してしまうことにならないかと思うのです。
 大きな企業が潤沢な資金で大規模に生産する農産物が市場を席巻する社会がいいか、小さな農家が穀物も野菜も畜産も小規模に生産し、農家同士が助け合いながら、地域の行事や環境保全も農業生産の一環として、「日常」としてやって行くというのがいいか、選択の余地はもうないのでしょうか。
 これは、ブルガリアの問題というより、「農業」と「産業」との関係の問題として、きわめて世界的であり、かつ我がムラ的でもあります。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.19(2009.9.25発行)より転載

心臓バクバク

 6月13日、第五回竜一忌が開催されました。
 私は例年通り第2部の飲食しながらのリレートークの司会です。
 とりあえず乾杯。缶ビールをきゅーっと・・。
 実は私、ちょうど一年ぶりのアルコールでした。「家庭の事情」というやつで、ずーっと断酒していまして、去年の竜一忌以来の本当に一年ぶりのビールでした。
 それに、考えてみると朝からほとんど何も食べていなくて、それが午後5時のいきなりのきゅーっ、です。リレートーク前半は口のすべりもなかなか快調で、これといったミスもなく進んでいました。発言者がしゃべっている間にも、ビールをちょこちょこ。で、ますます口はなめらかに・・・と思っていたら、そろそろ終わりが近づいて来たぞ、というところになって異変が・・。
 しゃべる声が上ずった感じがするなぁと思ううちに、息が苦しくなり、一言ごとに肩で息をする感じになり、やがて心臓バクバク。
 350ccの缶ビール1本と半分くらいしか飲んでいないのに、こんなに気分が悪くなるなんて思いもしなかったよ。
 それでも何とか閉会まで平静をよそおい、後片付けはロクに手伝わず、どてーっとしていました。
 実は、毎年この後、スタッフでカラオケに行ってガンガン歌いまくるのが恒例になっているのです。それをとても楽しみにしていました。この年になると、カラオケに行く機会なんてめったにありません。年に一度の大イベントなのです。
 何が何でもカラオケに行くぞぅと、人に支えられながら、やっとこさで中津駅近くのカラオケルームにたどりついたけれど、ソファに座っていることもままならず、ぐにゃ。
 こりゃあとてもじゃないがとても歌うことなんて無理。へたすりゃ酔っ払いとして最悪の迷惑かける結果になりかねない。
 「ごめん、汽車で帰る」
 駅まで梶原玲子ちゃんが送ってくれ、なんとか築城駅までたどり着きました。
 そこから家までタクシーです。このタクシーの運転手のおいちゃん、どうやら私の顔を知っていたらしく、戦時中に爆撃を受けた町内の小学校の犠牲者の慰霊碑を建てる計画などいろいろ話しかけるのです。とても気分は悪いのだけれど、むげにも出来ずあいづちを打ちながら「早く家に着いてくれぇ」と祈ったのでした。後日、カラオケで盛り上がった話をいっぱい聞いて、本当にくやしい思いをした、残念無念の竜一忌でした。
 悔しいーっ!

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.17(2009.7.5発行)より転載

クローン牛

 クローン牛の死産および生後24時間以内の死亡率が一般の牛の5倍近いそうです。「このクローン牛を食べても大丈夫か」という消費者の質問に対して、内閣府食品安全委員会の説明は「食用の可能性のあるのは育った家畜だけ。途中で死亡するものは人の口に入らない。食用になるまで育ったクローン牛は一般の牛と変わりない」というものだったそうです。
 こいつら、消費者を「バカだ」と思っているのか、それともこいつら自身が本物のバカなのか。
 私自身は、あまり「安全なの?」と深刻に心配するタイプじゃないのだけれど、そういう不安を感じる消費者に対しては、丁寧に誠実に答える義務が政府や企業や生産者にはあると思います。
 この安全委員会の「答え」は「答え」になっていないのです。小学生だって納得しない「答え」です。
 私としては、この安全性より、クローン牛を食べるということそのものが、「いのちを頂く」という気持ちを薄めるのでは・・ということの方を心配します。人間の精神の荒廃が加速する気がします。
 私、決して宗教家でも精神主義でもないのだけれど、「人とモノといのちの関係」が、どんどん荒廃していくことへの危機感を強く持っているのです。
 臓器移植のことにも通じる問題として・・。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.16(2009.5.30発行)より転載

鳥日記 (2009.5)

hirenjaku.jpg 連休あけ、鳥師匠三丸さんの家に行って、な・な・なんと「ヒレンジャク」を見ました。図鑑でしか見られない鳥と思っていたヒレンジャクが、中津平野の普通の家のさくらんぼの木に20羽以上群がって、赤い実をついばんでいるのです。うっそー、って感じで大興奮!
 やっぱり、鳥変態三丸さんのヘンタイエネルギーが呼び寄せているとしか思えないよ。
 なお、ヒレンジャクが群れてついばんでいたさくらんぼの木は、隣の家のだそうで、その家の人は「ヒヨドリだと腹がたつけれど、ヒレンジャクなら許す」と、鳥に食われてしまいつつあるさくらんぼを笑ってながめているとか。
 ヒレンジャクは冬鳥なので、もう多分いないと思うけど、来年のさくらんぼの時期が待ち遠しいです。
 この日ヒレンジャクを見たあと、三丸さんの案内で、安心院にハヤブサのヒナを見に行きました。これもまた感動もの。
 高い岩場に巣を作っていて、望遠カメラでも小さくしか撮れなかったけれど、三丸さんが三脚を立てて望遠鏡をセットして、ちゃんと照準をヒナに合わせてくれたので、目の前にいるように大きくはっきりと見えました。すげーっ、かっこいい!
 まだ飛べないヒナといえども、さすが猛禽類。いかにもハヤブサって精悍さでした。
 三丸師匠のおかげで、いろんな経験させてもらって感謝です。
 話は変わりますが、私が毎日夕方に仕事に行っているY牧場での出来事です。すぐそばの木に巣を作っているカラスのカップルがいます。そのカラスのしわざと思われるのですが、子牛小屋のウオーターカップ(自動給水器)の中に、最近毎日、フナなどの頭や骨、スズメの頭、ヘビの一部などが入っているのです。贈り物のつもりなのか、嫌がらせなのかカラスの気持ちはわかりませんが、生臭くて牛が水を飲まないので、毎日カップの中を掃除しなければならないと、Yさんがぼやいています。
 最近、近所で見れる鳥が平凡になって少々つまらないのです。今も常にカメラを持ち歩いているのですが、めっきり出番が減りました。スズメ・カラス・ハト・ホオジロ・ウグイス・シラサギ・アオサギ・ヒバリ・セキレイ・ムクドリなどです。田に水が入ってシラサギが特に増えています。鳥漫画『とりぱん』によると、北国の田にはシラサギがいないのだそうですね。知らなかった! 明日、三丸さんとまた山に行く予定です。あそんでばかりのこの頃ですが、金のかからない遊びだから、まあいいか。40年働いてきたんだし・・・。
 ところで、最近スズメがいなくなりつつあるという話をよく聞きます。私の家の周辺にはスズメはいっぱいいるので実感ないんだけど『とりぱん』にもスズメが減ったとかいてあったので、本当なんでしょう。人の一番身近にいる鳥に変化が・・・。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.16(2009.5.30発行)より転載

無農薬の本

komatuna.jpg わが家の菜園。水菜・小松菜・キャベツなどがワサワサ出来ているのだけれど、虫がすごいんです。キャベツなんぞは、もう、ネット状態です。そこで、なにかいい手立てはないものかと、昔買っていた『農薬を使わない野菜づくり』という本を探し出してみました。
 「もし、病害虫が発生しても、あわてて農薬をまいたりしてはいけない。虫の害など農薬の害に比べれば問題ではない」と書いてありました。ちょっと笑ってしまいました。うーん、しかしねえ、人間の食う分がなくなって、スーパーで野菜買うはめになりそうなんですが・・。
 ところで、前に書いた「ソラマメで豆板醤を作る」ってやつ、作りましたよ、どばっと1キロも。
 ダッシュ村のホームページ見て、一日がかりで仕込んだけれど、ダッシュ村でも、夏場に表面にカビを発生させていたのでちょっと不安です。うまく出来たら少しずつみんなに味見してもろおうと思っているんだけど、どうなりますことやら。来年の春のお楽しみ・・。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.16(2009.5.30発行)より転載

夏は来ぬ

hotaru.jpg 卯の花は咲き、ホトトギスも鳴き、ホタル飛び交い、早苗は植え渡り、本当にもう、歌の通りの夏です。
 でもまだ朝晩は肌寒くてコタツをしまうことが出来ずにいます。
 ウグイスは、今もそこいら中でさえずり続けてうるさいくらいです。よくもまあ、小さな体であんな大きな声を出し続けられるものだと、感心します。
 近所の池に、今年突然アメンボが大量発生です。最近、めっきり減ったといわれるアメンボです。なんで突然の大発生?と考えて、思い当たる理由が一つ。実は昨年末、ある事情で、この池は「池干し」されたのです。
 それまで鯉やフナやブラックバスがたくさんいました。池干しで、全滅です。もしかしたら、今まで、アメンボは魚たちに食われていたのかも・・・と思うわけです。
 真相はわかりません。池の水面に、雨が降り始めたか?と思うくらいアメンボの波紋が点在してゆれています。
 そういえば、ミズスマシも最近みませんねえ。
 
渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.16(2009.5.30発行)より転載

農と人とくらし研究センター

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