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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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『ペコロスの母に会いに行く』

『ペコロスの母に会いに行く』
岡野雄一 作・画
西日本新聞社
定価 1200円十税
 
 詩人・伊藤比呂美さん推薦のマンガです。
 62才の作者が89才の認知症の母親のことを描いたマンガです。全部長崎弁です。
 記憶が過去と今を行ったり来たりするさまを、4コママンガでとても上手く表現していて、作者が母親を大切に思っていることが、素直に読者に届きます。
 もう亡くなっているが父親は酒癖が悪い人で、ずっと苦労させられたのに、ボケた母親は夢うつつに夫に会い、ベッドの横に入れて、手をさすってもらって「ああ 気持ちん良か」と眠るのです。
 「さっき、父ちゃんが訪ねて来なったばい。なあ ユウイチ、私(うち)がボケたけん 父ちゃんが現れたとなら ボケるとも 悪か事ばかりじゃ なかかもしれん」と言うのです。  こんな風に、穏やかに可愛くボケる人ばかりではなくて、実際に徘徊や失禁、被害妄想などで、介護する者たちを疲労困憊させる場合の方が多いと聞きます。
 この岡野さんの母親みつえさんのようなボケなら、ボケるのも悪くないかも…と思わせるマンガです。ちょっと気持ちが優しくなります。題名の「ペコロス」というのは作者のペンネームで「小たまねぎ」という意味だそうです。作者の体型とツルツル頭で付けた名前だそうです。
 
渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.45(2012.8.31発行)より転載
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