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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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いま流行りのカタカナの職業(後編)

 その日のワークショップのようすを簡単に記しておこう。参加者は20名、時間は正味2時間半。準備に1時間半をかけ、本題の芝居づくりは30分、発表とふりかえりに30分費やした。芝居づくりの作業は3つのチームにわけ、それぞれ、①問題の状況、②生活改善の取り組み、③その結果(=新たな課題の発生)という3つのシーンからなる寸劇をつくってもらった。
 アジアを舞台にしたチームの寸劇は、①寄生虫が原因の症状が蔓延→②住民がトイレ設置を村長に訴えて建設→③トイレが汚れてすぐに使われなくなる(=水道施設の必要)。アフリカチームは、①何キロも運ぶ水汲みの重労働→②井戸を掘って生活が楽になる→③井戸端が洗濯と家畜の水飲み場と化す(=井戸水の汚染)。中南米チームは、①布団を干さない習慣による病人の発生→②学校で教えられて家族が訴えても、家長が生活習慣を変える必要を認めない→③近隣で実行している家庭を訪問し、勇気をえて家長に逆らっても実行する。30分でつくった寸劇は5分ほどの長さで、自ら演じると同時に他のチームの芝居を観て楽しんでもらえたようだった。
 ふりかえりのセッションで、「いま流行りのカタカナの職業」の彼は、表現することの難しさを終始感じていた、と感想を語った。彼がこれから生きていくうえで、ワークショップの体験が少しでも役に立ってくれたらと願う。彼が参加してくれたおかげでこの日のワークショップは私にとって忘れがたいものとなった。もし彼が心から楽しんでくれたのなら、ワークショップは私にとって成功である。楽しんでくれただろうか。

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ワークショップでのアクティビティのひとつ。二人一組になり、相手の顔を見て、絶対に手元の紙を見ず、ペンは紙から離さないで一筆書きで描いた似顔絵。

片倉和人(農と人とくらし研究センター代表)
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