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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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野山にはお宝がいっぱい!

warabi.jpg 5月初め、山菜づいた日がありました。
 土曜日の夕方、タケノコご飯を炊く用意をしておいて、用事でFさんを訪ね、その帰りがけに、コシアブラを採りに行く相談をしました。Fさんはフキも欲しいと言うので、山の田んぼへも行ってみる約束をして、その足でAさん宅へ行ったら、軒先の水を張ったバケツから、茹でタケノコをポリ袋に一杯入れてくださいました。帰ってくる途中、畦の刈った草を寄せているMさんの姿を見かけて、ちょっとおしゃべり。「そうそう、桜の塩漬けをあげようと思っとった」と、家に走りかえって持ってきたビン詰めの桜を貰って来ました。夕方、ちょっと歩いて来たら、あちこちで嬉しいいただき物です。
 翌日曜日、義母が朝からフキを煮ています。裏の家で弘法様(毎年、その家の山に祀ってある弘法様を、近所の人たちを呼んで拝み、その後食事を振舞っていただくのです)があるので、そのおかずに一品添えるつもりのものです。別の鍋では、きゃらぶきも煮ています。そのお残りを、昼ご飯のおかずに食べました。
 昼ご飯の後、前日いただいたタケノコを木の芽和えに準備をして、残りを炊き込みご飯用、中華炒め用に切って、それぞれザルに広げて干し、夕方取り込んでポリ袋に入れ、冷凍庫にしまいました。
 冷蔵庫には、クサギを水で戻したものがあって、夕方、クサギご飯を炊きました。前の日はタケノコご飯と、味のついたご飯ものが続くけど、「ええい誰かに食べて貰えばいいや」と、いつもどおりたくさん炊きました。
 その時、玄関で呼ぶ声がします。Uさんがイタドリを一抱えして立っています。「去年一緒に採りに行った山へ、今、イタドリを採りに行ってきたからおすそ分け!」「ちょうどよかった、もうすぐ炊きあがるクサギご飯をお返しに」と届けることにして、行きつけの美容院の大先生も田舎のご出身だから懐かしいかなと、クサギご飯を少し届け、その晩の食事は、クサギご飯、タケノコの木の芽和え、フキの煮物ときゃらぶき、山菜尽くしのご馳走でした。片付けの後、イタドリの皮を剥き、ポリ袋に入れ、塩をたくさんまぶして冷蔵庫へ。こうして塩漬けにしておいて、食べる時に塩抜きをして、炒めて煮付けることを、昨年、Aさんに教えていただきました。その夜には、Uさんから「今イタドリのあく抜きを終えて、キンピラにするところ」というメールが入りました。
 翌日、夕食の支度をしていたところ、裏のオバサンが2つの袋を抱えて裏口へ。「親戚からこんなものをようけ(たくさん)貰ったで、食べんさい」と、コシアブラとコゴミです。珍しいものをこんなにようけ!!これで、コシアブラのご飯が炊けそう。コゴミは、オバサンは胡麻和えにしたそうだけど、マヨネ-ズでもいいし、てんぷらもいい。
 台所には、この日、みょうがたけも採ってきてあって、しいたけとタケノコの吸い物に入れました。夕食の後、杉の葉を採ってきて、わらびの上に被せ、熱い湯をたくさんかけて押し蓋をして、アク抜きに。コシアブラは洗ってザルに揚げ、コゴミは硬い軸を折り取って、これもザルに。台所中、山菜だらけです。
 3年ほど前、山が竹藪になってしまうからと、義母が竹を総て根絶してしまってから、タケノコが食べられなくなるのかと寂しく思っていましたが、その時期になると、あちこちから声をかけてくださって、十分いただきます。フキは柿の木の下に毎年生えてきて、みょうがたけも生えて、その少し前にはうどもあって、春先の野菜がなくなるころにはこうしたもので助けられます。昨年はイタドリやクサギの食べ方を教えてもらい、今年はさらにコゴミや、コシアブラなど珍しいものに恵まれました。
 小麦や大豆製品が値上がりしています。スーパーに行けば、あれもこれも高くなったものばかりのようですが、米を炊いて、野山にあるものに目を向ければ、難なく夕飯が仕上がります。その代わり、袋を破けばすぐ調理できるものではなく、手をかけなければなりません。
 季節のものを食べたいあまりに、昔からやってきたことを続けるために、野や山へ山菜を採りに行って、手間をかけて、自分で食べることをまかなおうとしている人たちに恵まれ、手間をかける時間にも恵まれた暮らしが愉しく、面白いものだと思う毎日です。

『ひぐらし記』No.21 2008.5.1 福田美津枝・発行 より転載
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