農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
弘法さま
4月21日は組全体の弘法さまの日で、当番に当たった3軒が元方になって、昼ごはんを作り、各家から女が1人ずつ来て弘法さまにお参りをして、ご飯を食べて半日過ごします。実際には21日の近くの日曜日に行います。その元が、今年は我が家に当たりました。両隣と3軒で用意をします。10年ほど前から、お日待ち(組の寄り合い)の食事はパックの弁当をとったり、料理屋へ出かけることになってきましたが、4月と12月の弘法さまの日の「お日待ち」だけは、元方がすべて、ご飯もおかずも料理することになっています。
4月は毎年タケノコご飯と清まし汁、ひじきの煮付け、サラダ、漬物の献立です。前日に買い物をしておき、朝から公民館で、ご飯を炊いたり、おかずを作ったりして、12時に食事が始められるようにします。
その日、11時半頃から、女衆が集まりだし、12時には揃いました。以前は、最初に弘法さまの前で般若心経を唱えましたが、最近は食事が先だそうで、今年も長老にお伺いすると、「はよう、ぬくというちによばれたほうがええで」とおっしゃり、食事になりました。24軒のうち、用事などで来られないうちもあるので、20軒と、元方の男衆3人も合わせても、タケノコご飯一升五合で済むとは、なんとも少食になったものです。
食事が済むと、飯台を片付けて、弘法さまの前で、みんなが声を合わせて般若心経を唱え、その後にはお茶菓子や果物を出して雑談になります。昔はこうして夕方まで公民館で過ごしたものですが、最近は若い人も増えてきて、それぞれ用事があるので、一人帰り二人帰りするうちに、それではお開きにしようかと長老がおっしゃって、3時頃には終わりました。
家ではまだ義母がこうした弘法さまの集まりには出ているので、私は元方が来た時だけ出て行きます。久しぶりの弘法さまの元方を勤めましたが、早く終わってほっとしたものの、こういう行事もだんだん簡素になって来たなあと寂しくもありました。
『ひぐらし記』No.21 2008.5.1 福田美津枝・発行 より転載
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