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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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イノシシ出没 田んぼを守れ!

inaho.jpg ずいぶん前から、山奥の田んぼにはイノシシが出てきて、刈り取り前の稲をなぎ倒したり、踏み荒らしたりしていました。わが家も一番山奥の田んぼは、イノシシに荒らされてから10年ほど、休耕にしています。そこは小さな田んぼが10枚くらいあった沼田で、田植え機もバインダーも入らないので、自費で耕地整理をして3枚にし、暗渠排水も施して、機械の入るいい田んぼにしたのですが、何年も耕作しないうちにイノシシに荒らされました。杭を打ち、竹で柵を作っても効果なし。泣く泣く耕作放棄をしたのです。
 それ以外の田んぼにはまだイノシシが来ていなかったので、安心して稲を作っていましたが、昨年秋、その次に奥の田んぼに、刈り取り間際に入られました。その周りには数枚の田んぼがあったのに、なぜかうちの田んぼだけでした。その田んぼのすぐ上は山が張り出してきているところだったのです。
 今年は人家の近くの田んぼにも、早くからイノシシが入ったと言う情報が届きました。昨年入られたうちの田んぼにすぐ近くの、Tさんの早いコシヒカリの田んぼは、刈り取り間際にイノシシに入られました。Tさんもこの頃のイノシシ情報により、山側の畔にはビニールシートを張り巡らしていたのですが、川側の畔は無防備だったため、そこから入られました。
 そこでわが家も昨年入られた5aの田んぼに3万円余りを投資して電柵を取り付けました。ホームセンターで資材を買い(JAは取り寄せるのに時間がかかったので)休日に家人と2人で半日がかりです。昼間は大丈夫だろうと、夜だけ電気が流れるようにセットしました。単2の乾電池8個で、驚くほど強い電流が流れます(実験済み、ふと肩が触れたら強い衝撃が来ました。心臓びっくり)。9月末にJAのコンバインで刈り取ってもらうまで無事、投資効果が現れてヤレヤレでしたが、電柵の代金分約2俵分の増収は勿論ありません。イノシシ被害の減収を防いだということでした。
 わが家の前に川が流れ、その向こうに小さな田んぼが10枚ほど広がって、その先に、先日わが家に来た若い人たちが"トトロの山"だといった小さな山があります。その山際のIさんの田んぼの1つがつい最近、イノシシにやられました。トトロの山から出てきたようです。10枚の田んぼの周囲3方は川を挟んで、わが家始め人家が取り囲んでいるので、よもやこんなところまでと無防備だったのです。このイノシシの出現には近所一帯が大きな衝撃を受けました。いよいよここまで来たのかと。
 Iさんは弟妹家族も呼んで一家総出で荒らされた田んぼの稲を手で刈り取り、残った田んぼの周りをトタン板で囲みました。見渡せば、電柵やアミ、ビニールシート、トタン板など、その家々の工夫によりイノシシ対策がされている田んぼが、今年はずいぶん広がりました。それだけイノシシが行動範囲を広げ、生活圏を拡大してきました。これからますますこの範囲は広がるのか、田んぼを守る苦労も広がります。

『ひぐらし記』No.17 2007.9.30 福田美津枝・発行 より転載
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