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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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-「肥だめ」の心くみ取ろう-

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   「肥だめ」の心くみ取ろう 環境白書
    「江戸時代の知恵を途上国循環社会へ」
 政府は3日、08年度の「環境・循環型社会白書」を閣議決定した。今回は、バイオマス資源の活用や省資源型のものづくりなど低炭素、自然共生、循環型の社会へのヒントを江戸時代に見いだす趣向。今後、江戸の知恵を途上国にも広めていくという。
 白書では、江戸時代の社会システムを検証。特に「肥だめ」の効用についてほぼ1ページを割いて詳細に解説した。し尿は放置しておくと悪臭ばかりか感染症の源にもなる。しかし、し尿を肥だめに入れておくと嫌気性細菌の代謝作用で、安全な肥料として安定化された。こうして都市住民のし尿が肥料として農村に運ばれ、その肥料でつくられた作物が都市で消費されており、白書は「まさに循環型社会を構築していた」と絶賛している。
 このほか、壊れた茶わんや破れた傘を直すなど多種多様なリユース(再使用)とリペア(修理)産業があったことも紹介している。
 ただし、現代の日本で実践できる取り組みは少ない。環境省は「発展段階の違う途上国でも循環型社会をつくれるということをアピールしていきたい」とする。
 一方、温暖化問題で白書は、世界で排出量取引市場が広がっている点などを挙げ、「低炭素社会に向けて転換期を迎えている」と指摘した。
・・・・・ 08.6.3 朝日(夕刊) ・・・・・
dure2-9.jpg ふざけるなよ!って思いません?
 江戸時代の暮らしがほぼ完全な循環型社会だったということは広く知られています。それをやっと「お国」として認めたのは立派立派と評価するけれど、それで何?「現代の日本で実践出来る取り組みは少ない」でも「発展段階の違う途上国でも循環型社会をつくれるということをアピールしていきたい」だって?
 何という高慢な言いぐさでしょう。
「日本でも昔は絶賛すべき循環型社会を構築していた。だけど、それを壊して、大量生産大量消費社会にどっぷりと浸かって、結果、大量の資源を浪費し、大量の廃棄物を生み出し、大気を汚し、水を汚し、公害を垂れ流し、温暖化を進めてきた。そうやって構築した今の快適な暮らしを手放す気は我々にはさらさらないけれど、まだ途上国のあんたたちに、江戸時代の循環型社会形成のノウハウを教えてやるから、あんたたちは少しは不便でも環境に優しい暮らしをしなさいよ」
ということですよね。とんでもないヤツラですよ、我々日本人は。
 現代の日本で実践できる取り組みは少ない、なんてほざくなよ。現代の科学技術を使って上手に江戸時代の暮らしに戻ることは可能でしょ?いまよりちょっと不便になったって、それは不幸ではないし、人間はすぐに順応するんだから。
 それと、「世界で排出量取引市場が広がっている」という、このCO2排出量を国家間で売り買いするという思想というか論理というか、理解出来ません。出さなくて済む国は出さない、でいいわけで、それを出す国がもっと出すためにワクを買い取るなんて…。汚い思想です!
 
渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.9(2008.10.2発行)より転載。
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