農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
中国の牛乳
メラミンというと、給食の食器しか思いつかないのですが、きっと粉末状なのでしょうね。これを牛乳に混ぜるとたんぱく質が高くなる(ような測定値が出る)のだそうです。普通の牛乳を水で薄めてメラミンで成分をかさあげしていたらしいです。すごいこと考えつくものだと悪知恵に関心したりして…。
で、ミルクを大量に飲む赤ちゃんが被害を被っているわけです。深刻な被害を出していることも、もちろん腹立たしいけれども、もう一つ、私がこのメラミン牛乳事件で頭に来るのは、日本の酪農家は経営悪化で次々と廃業に追い込まれているというのに、実は乳製品を中国からまで大量に輸入しているという事実が、こんな形で明らかになったということです。
三笠フーズの「事故米」事件もそうですが、食品メーカーが「少しでも安い原材料を」と望むところから問題は発生して行くのです。もちろん「コストダウン」はメーカーにとって最大の努力課題なのだけれど、「安い」ものには「安い理由」が必ずあるわけで、そんなことは各メーカーも百も承知で仕入れているはずです。
「安い」「たくさんある」=「善」という思想から脱却しないと「食」を巡る事件や問題の発生を減らすことは出来ないと思います。
それにしても中国の人たちもいろいろと次々と「創意工夫」してくれますねぇ。
ところで、同じ中国の牛乳に関しての記事を見つけました。
この記事にある牛乳って、放牧という点を除けば日本の普通の牛乳と同じです。それが1リットルで日本円にして350円だって?
中国経済の発展はめざましく、所得もどんどん伸びていると聞くけれど、それにしても1リットル350円の牛乳が買える人って何割くらいいるのでしょうか。日本の資本とすぐれた技術は今や海外の一部富裕層に注ぎ込まれていて、日本の貧民層は海外の安い汚染食材をあてがわれ、それが国内の生産者の首を更に絞めるという図式を象徴的に見せてくれたのが中国牛乳ですね。
私たちは既に使い捨てられた民なのでしょうか。
渡辺ひろ子『私信 づれづれ草』NO.11(2008.10.2発行)より転載
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