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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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鳥日記 (2010.8)

 真夏さすがに鳥たちも早朝じゃないと姿を現さず、昼間は木陰に潜んでいるようです。炎天下でも元気なのはサギ類とホオジロくらいです。バイトに行く途中の川でも電線でさえずるホオジロと川の中にたたずんで小魚を狙うシラサギ・アオサギくらいしか見かけることのない毎日です。
 8月最後の土曜日、鳥師匠三丸さんに誘ってもらい、由布高原の林の奥の湧き水の所に水浴びにやってくる小鳥たちを観に行きました。久々の遠出鳥見です。すぐ近くの上を高速道路が通り、車の音は結構うるさいところながら、林に踏み入ると木々の緑に囲まれて、俗世から遮断された気持ちよい空間に身を置くことが出来ました。先客(といっても三丸さんのお仲間・希少生物研究会のおじさん)がすでに来ていて、迷彩色のネットを張って、その隙間から望遠カメラを突き出して水場を狙っていました。
 私たちがそれぞれの場所を確保して間もなくから、次々と美しい小鳥たちがやって来ました。オオルリ、コガラ、ヤマガラ、キビタキなど。間近に見るのは初めての鳥たちです。
 始めは水場の向こうの低木の枝に来て、ちょろちょろと安全を確かめるように枝を移り、それから驚くほどの大胆さで、水場に舞い降りて翼をひろげて体を震わせて水浴びをするのです。その光景が何と我々の4~5メートル先で展開されるのです。何という無防備さか、と感動しました。
 オオルリのコバルトブルーの鮮やかさ、キビタキの黒と黄色のコントラスト、そしてコガラのかわいさ。木々の緑、涼やかにしめった空気、コケむした岩を這い登る1センチにも満たないカエル、草の葉に張り付いて動かない小さな蛾、みんな静かな山の夏の日を伸びやかに生きていました。
 「この後、また別の鳥が来るんだけど…」という声に後ろ髪を引かれる思いで山を下りました。仕事に間に合わないから…。
 さて、下界に下りたら何と暑苦しいこと!
 ところで、オオルリやキビタキなど美しい小鳥たちを間近に見て、もちろん夢中でカメラを構えて撮りまくったのですが、後で見るとどれもイマイチ鮮明に撮れていないのです。いわゆるピンボケです。あんなに間近に被写体がいてあんなに一生懸命ピントを合わせたつもりなのに「なぜ?」。その答えは少々悲しいものでした。「老眼」のせいだったのです。ファインダーから見る映像は眼球のすぐ前にあるから老眼には鮮明に見えないということなのでしょう。今、カメラの方を微調整中です。Mさん、「腕のせい」って言うなーっ、老眼のせいじゃーっ。どっちも悲しいけど。

渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.28(2010.8.31発行)より転載
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