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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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老親介護

 最近、同じ年頃の女性たちと話をしていると、決まって親の介護のことに話は行き着きます。子どもがひとり立ちして、やっと自分の時間が増えたと思う間もなく、親が老いて目が離せなくなり手がかかるようになり、何年もの過重な介護の果てに、やっと両親を看取った頃には自分が老いて、したいことも出来なくなっている。「女は割りに会わんねえ」で話は終わるのです。
 わが家も、酪農をやめて、さあ、泊りがけで旅行でも出来るぞ、と思ったら、母が老いて、特に今年の夏の暑さですっかり弱って何もしなくなり、一日中ごろごろ・ずーずーと寝てばかりです。物事の判断力も急速に劣化して、40年毎日してきたことも突然仕方が分からなくなるといった状態で目を離せません。介護認定を受けるほどではなく、だからデイケアにも行けず、ごろごろ・ずーずーです。手芸が好きな人でしたが、もうそんな能力も意欲も完全になくしています。ただ、まだ食欲だけは健在で、持病の高血圧・糖尿病によくないといわれるものばかり欲しがります。ダメというと隠して食べるので、いまでは好きにさせています。食べたいものを我慢させて、少しくらい長く生きても幸せとはいえないだろうと思うので…。 それにしても、テレビを観ながら突然、掌に味塩を振りかけてなめる(日に何度も)のを見ると「この人、ゆるやかな自殺をはかっているのか?」と思ったり…。
 ところで、以前にも紹介した介護マンガ『ヘルプマン』の15巻、とてもいいです。ぜひ読んでみて下さい。とてもとても面白い方向に進んでいます。(講談社・イブニングKC・くさか里樹)

渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.28(2010.8.31発行)より転載
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