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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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鳥日記 (2010.5)

 4月の始め、朝の犬の散歩の時、すぐ近くの農業用水池の土手をちょこちょこ動き回っている見慣れない小鳥を発見。犬の散歩の時はカメラもスケッチブックも持てない。こういう時に見慣れない鳥を見たら、その特徴を声に出して言ってみることにしています。そうすると、見ただけより、帰ってから図鑑で調べる際に格段に分かりやすいのです。
 で、その見慣れない鳥の特徴は「頭、真っ黒。首から腹にかけて白。胸、レンガ色。背から尾にかけて真っ黒。翼は黒に白い縦長の模様。大きさ、スズメくらい」
 これだけはっきりと特徴をとらえたら、もうばっちりだ!と急いで帰って図鑑を開きました。いた!これだ!これ以外にいない!と思ったのが「ノビタキ」。
 しかし、しかししかし、ノビタキの説明を読むと「夏鳥(本州以北)」と書いてあるのです。ええーっ、違うのか?ノビタキじゃないのか?本州以北ということは九州にはいないってことだろ?
 迷った時には鳥師匠三丸さん。
 「ああ、それはきっとノビタキですよ。夏鳥(本州以北)ということは、夏を本州以北で過ごすために南の方から今、渡ってきている途中なんです。」
 な~るほど。目からウロコです。鳥図鑑とはそういうふうに読むのか!
 ノビタキを見たのはこの時一度だけです。小さな翼を懸命に動かして北に向かって飛び続けているのでしょう。けなげです。小鳥たちの「渡り」を思うと涙が出そうなくらいです。あんなに一生懸命に私は生きているか?と自分に問うと恥ずかしくなります。せめてもっとシンプルに暮らさねばと思うのです。
yamasemi2.jpg あいかわらず、ヤマセミの追っかけをしています。バイトに行く途中の川にヤマセミ出没ポイントがあって、「私のヤマセミちゃん」でした。
 ところが最近、他にもヤマセミに気付いた人がいて、うわさが広がったみたいで、怪しい動きをする車が何台も現れるようになりました。のろのろ進んだり止まったり。あげくに車から降りてきたのを見ると、「いかにも」って感じのいでたちで、しかもバズーカ砲かと思うような(実際にバズーカ砲を見たことはないのだが)望遠カメラを抱えているのです。
 いやーっ、やめてーっ、ここは私の、私だけのポイントなのよ。人って来ないで。荒らさないで。
 と、心の中で叫びながら、ちょっと睨んで通過するのです。あいつら、私よりずっと上手い写真を撮るんだろうな、くやしいな。
 ああ、私のヤマセミちゃん。

渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.25(2010.5.31発行)より転載
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