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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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獣害

 私がパートに行ってるY牧場の牧草地にシカとイノシシが出てきます。シカは牧草の柔らかいのを食べます。だから、草が伸びて硬くなるとあまり出て来ません。でも、イノシシの方はずーっと毎日出て来ます。夫婦に子どもが4頭。イノシシは牧草を食うわけではなく、土中のミミズを食うために出て来るのです。だから、土を掘ります。ひたすら掘ります。まるでトラクターで鋤いたようになります。もちろん牧草はダメになります。その面積が日に日に増えて行きます。ワナを仕掛けてもなかなか入ってくれないし、あきらめ顔のYさんです。
 ものの本によると、イノシシの農作物被害はひとが農耕を始めた大昔からのことだそうです。あきらめるしかないのでしょう。
 ところで、新聞でちょっと衝撃的なニュースを読みました。
 アフリカのどこかの野生動物保護区で、シマウマが増えすぎて農作物に深刻な被害が出ているそうで、その解決策として、シマウマの一部をライオンなどの肉食獣の保護区に追い込む、つまり、ライオンの狩りの対象にすることで「駆除」するという方法を選んだというのです。
 まあ、合理的といえば言えるだろうし、自然界の本来の姿に戻したとも言えるだろうけど、でも、今までライオンのいない環境で生まれ育って生きてきたシマウマがいきなりライオンの群れに遭遇したら・・と思うと何だか痛ましいです。ひとと動物たちとの関係はいろいろ難しいですね。特に、ひとには経済ってものが付いてまわるので一層難しくなります。イノシシたちはミミズがたくさんいる所を探しているだけなんだけどね。

渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.24(2010.3.28発行)より転載
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