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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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漫画『百姓貴族』

 本屋をぶらぶらしていて偶然見つけました。コミック『百姓貴族』① 作者 荒川弘。私はまったく知らない漫画家です。帯に「私の血には、牛乳が流れているのだよ・・」とあり、裏表紙には「マンガ家になる前は北海道で七年間、農業に従事していた荒川弘。牛を飼い、野菜を作り、クマに怯え・・云々・・知られざる農家の実態を描いた、日本初の農家エッセイ登場!」とありました。
 買いました。読みました。農業を知らない人が読んでどう思うのか分からないけれど、元・酪農家の私が読むと、「そうそう、うんうん、あるある」と随所で笑えます。そして、ところどころで過激な表現が出てきて「よっしゃあ!そうだ、もっと叫べーッ!」って感じでなかなかいいです。
 荒川弘さんは、北海道の農家の息子で、実家は酪農と野菜の複合経営なので、ハンパじゃない重労働に追われているわけで、その実態を面白く明るく過激に描いています。 わがままばかり言う消費者に対し「食料供給ストップして、あいつら 飢え死にさせたろかいと思います」な~んて言い放っちゃうんです。もう、「いいぞ!もっと言え!」と声援送ってしまいますよ。
 このマンガ、『ウイングス』という隔月発売のマンガ雑誌に連載しているもので、このマンガ雑誌は「大人ガールのための、ドラマチック・ロマンチック・マガジン」だそうです。高校生からもうちょっと上の年齢までの、いわゆる"女の子"が読むもののようです。その中に、まあ、ずいぶん異質な百姓万歳マンガを紛れ込ませて連載にしている編集者がえらい!
 世の女の子たち、このマンガをしっかり読んで農家の暮らしや仕事や百姓の気持ちを理解してモノを食う時はこころして食えよ。ママになったら、子どもにもちゃんと教えるんだぞ。
kizoku.jpg で、このマンガの中の特に気に入ったところをコピーしてきました。
  「北海道独立」 いいですねえ。
  「沖縄独立」という主張は市民運動の一部でかなり前から語られていました。北海道も独立しちゃいますか。いいですねえ。
 沖縄も北海道も、ヤマトが力で屈服させて「日本」に組み込んだのだから、「もうこれ以上、蹂躙されるのはいやだ」というのはもっともな主張だよ。ガンガン言って、ヤマトの頬を張り飛ばしていいと思うよ。
 ところで、餌の高騰も一段落し、乳価もちょっと上がった昨年ですが、酪農家の暮らしは少しは楽になったでしょうか?

コミック『百姓貴族』 荒川弘・作 新書館 680円+税
全国書店で絶賛(?)発売中

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.22(2010.1.26発行)より転載
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