農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
年齢
今、もっとも有名な農家は、おそらく青森県弘前市の木村秋則という人でしょう。書店に行くと彼の本が数種類、一番目立つところに平積みされています。
そう、『奇跡のりんご』のあの木村さんです。完全無農薬のりんご栽培に成功して、一躍有名人となった人です。
で、この項のタイトルがなぜ「年齢」なのかというと、先日、彼のことをとりあげたテレビ番組を観て、「ええーっ、それはないでしょう?」と思ったからです。
内容自体は彼を絶賛するもので、別に文句をつけるところはありません。気になったのは、スタジオに居並んでいろいろコメントしたり、彼のりんごを試食したりするタレントや司会者たちが、「おじいさんのりんご、おいしい!」とか、「おじいさん、すごい!」とか「おじいさんの優しさの詰まった味がする!」とか、とにかくやたら「おじいさん」を連発したことです。
彼は今、60歳です。確かに歯がないので(無農薬に切り替えて9年、まったくりんごがならず、生活費のために様々な仕事をしたそうで、キャバレーの呼び込みをしていた時に酔っぱらいに殴られて歯を折ったそうです)老けて見えます。でも、スタジオのみんなは彼の年齢を知っているわけで、「いまどき、60歳でおじいさんはないだろうヨ」と61歳の私は勝手に怒っているのです。本人はきっと平気だろうけど・・。
だって、60歳で「おじいさん」なら61歳の私は正真正銘、立派な[おばあさん]ですよ。別に、いいけど、サ。
なお、彼の栽培する「奇跡のりんご」は全国の有名レストランのシェフたちに引っ張りだこだそうで、我々の口にはとても入りません。スーパーで、一山いくらの安売りりんごを買って、農薬の味を噛みしめています。
そう、『奇跡のりんご』のあの木村さんです。完全無農薬のりんご栽培に成功して、一躍有名人となった人です。
で、この項のタイトルがなぜ「年齢」なのかというと、先日、彼のことをとりあげたテレビ番組を観て、「ええーっ、それはないでしょう?」と思ったからです。
内容自体は彼を絶賛するもので、別に文句をつけるところはありません。気になったのは、スタジオに居並んでいろいろコメントしたり、彼のりんごを試食したりするタレントや司会者たちが、「おじいさんのりんご、おいしい!」とか、「おじいさん、すごい!」とか「おじいさんの優しさの詰まった味がする!」とか、とにかくやたら「おじいさん」を連発したことです。
彼は今、60歳です。確かに歯がないので(無農薬に切り替えて9年、まったくりんごがならず、生活費のために様々な仕事をしたそうで、キャバレーの呼び込みをしていた時に酔っぱらいに殴られて歯を折ったそうです)老けて見えます。でも、スタジオのみんなは彼の年齢を知っているわけで、「いまどき、60歳でおじいさんはないだろうヨ」と61歳の私は勝手に怒っているのです。本人はきっと平気だろうけど・・。
だって、60歳で「おじいさん」なら61歳の私は正真正銘、立派な[おばあさん]ですよ。別に、いいけど、サ。
なお、彼の栽培する「奇跡のりんご」は全国の有名レストランのシェフたちに引っ張りだこだそうで、我々の口にはとても入りません。スーパーで、一山いくらの安売りりんごを買って、農薬の味を噛みしめています。
渡辺ひろ子(元・酪農家)
『私信 づれづれ草』NO.23(2010.2.28発行)より転載
『私信 づれづれ草』NO.23(2010.2.28発行)より転載
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