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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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あわくら通信読者様

 「あわくら」を離れて5年が経ちました。
 私たち夫婦共、年なりの健康を保って、思いのままくらせたという限りにおいては、この5年間、平穏な日々であったと思っています。
 あわくらの15年を「むら私論」として整理する日課は、カタツムリの歩みですが続けております。
 自らが傘寿を迎えると、高齢者問題は切実な課題として目の前を去来します。昨年から、近所の高齢者同士の集まりを持ったりしております。この様な中で「あわくら」での高齢者にかかわる小さな試みの部分を小冊子にしました。
 高齢者自らが行動を起こすことの難しさの呟きです。
江南にて 小松展之


まえがき
 私は、1989年11月から2005年3月までの15年4ヶ月を岡山の山村「あわくら」でくらしました。このむらで米を作り、野菜を育て、それを食べるという自給自足のくらし、そしてむらとの付き合いをしてきました。
 田舎くらしでは、日々のくらしの中で地域との付き合いを大事にしなければなりません。農作物を作って食べるという百姓のくらしは、快適なものです。そして、一歩、外に目を向けるとむらの様々なくらしがあります。この、むらの様々なくらしのあり様が田舎くらしなのです。
 私は、田舎くらしをする中で、私自身が「被験者」として実験材料となり、そして、また観察者としてくらしたようで、その体験を「あわくら通信」として発行してきました。
 今、埼玉の「江南」でくらすようになって、あわくら16年の被験者としての体験を「むら私論 第1部」として記録し、あわくら通信(第14~32号)として発行しました。
 このなかで、「限界集落」といわれる高齢者むらにくらして、高齢者のあり様を、体験の中での一つとして試みた事項を纏めた章(あわくら通信第23~26)を小冊子にしました。
 この体験は、このむらにくらす被験者にとっての実証材料です。その内側にいて自らの問題として、高齢高齢者としてどうくらすか、高齢高齢者にとっては、1年1年がどのようなものであるか、厳しい現実があります。
 私が関わり、お付き合いした方々は、5年後の今日、今おられるのは御二人だけで、夫々、高齢者施設でくらしておられます。私自身が、高齢高齢者の1人になって1年1年をどう生きるか、残された年月を考えるようになっております。

2010年2月 小松展之

小松展之『これからの「むら」への試み』(2010年3月30日発行)から
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