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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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りんご可愛いや

ringo.jpg 先日、農業新聞に載っていました。りんごが売れなくて、不況のせいもあって加工用(ジュースやジャムなど)の需要も減って、とうとう、りんごを堆肥にしているというのです。
 台風で落下したりんごとかいうなら、まだ「仕方ないか」とも思うけど、まともに木から収穫したりんごを、こともあろうに堆肥にしているなんて!
 りんご農家さんの気持ちを思うと言葉がありません。
 スーパーで、ちょっと小ぶりのりんごが14個入って一箱580円でした。全農あおもりと箱に書かれていまいした。青森からの運送費、箱代、スーパーの利益などを考えると、農家にいったいいくら収益があったのでしょう?そこから肥料代、農薬代なども引かれるのです。赤字間違いなしです。
 かつて、輸入オレンジによって、みかん農家はみかんのたわわに実る木を泣く泣く伐りました。今度は、キウィやマンゴーによって、りんごの木を伐ることになるのでしょうか。
 学生の頃、自治会室に泊まり込みでビラのガリ切り・印刷をして、朝、学生会館の前でビラ撒きをし終わって、眠い目をこすりながら、売店に行き、小さなチーズと紅玉という名の甘酸っぱいりんごを一つずつ買って食べるのが楽しみでした。とてもリッチな気分になれたものでした。
 りんごが堆肥にされる時代になりました。我々が求めた豊かさの果てがこれです。りんご農家さん、貧乏な私が時々買うくらいじゃぁ、助けにならないでしょうけど、りんごの木、伐らないでがんばろうよ。
 りんごは人を幸せにする果実だよ。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.15(2009.4.20発行)より転載
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