農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
備忘録 新緑
やがて初夏の日差しとともに新緑の繊細さは失せ、夏には力強いが単調な濃い緑一色に変わる。小学生のときは、ひ弱だったり、勉強が全く苦手だった同級生たちも、みなそれなりの大人に変わっていったように、私の子供もいつの間にかそれぞれ緑を深めて森の中にまぎれていった。小さな子供はみな、いたいけな繊細さのなかに個性を輝かせていて、それゆえに愛しかったのだと、今年も新緑の季節をむかえて想う。
逆に私はといえば、一様に緑の濃さを競っていた季節を通り過ぎ、紅葉の時期を迎えている。もうそろそろお前の自分の色を出してもいいのだよ、と心の声が語りかけてくる。どんな色が出てくるのか、自分でも見当がつかない。ひょっとしたら銀杏や楓のように鮮やかな色合いが、この緑の葉の中に隠されているのかもしれない。しかし、それもひとときで、いずれは枯れて地に落ち、くすんだ茶色に変わり、土と化していくのであろう。
片倉和人
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