忍者ブログ

農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

農作業暦から生まれたもの

 昨年秋から始まった「伊深」を様々な視点から考える活動で、どこからでも出てくる話は、「田んぼも畑も荒れていくなあ」という言葉です。このような活動に携わる委員が、70~80代の男の人が多いこともあります。伊深ばかりではなく、どこの地域も同じようなものですが、荒れた田畑を増やさないようにすることくらいは、私たちでできることではないかと、まだうら若き女たちは立ち上がりました。
 休耕田に菜の花やれんげの花で、ずっと前の里の風景を作ることもその一手ですが、もっと積極的に田畑を利用してもらうように、田畑での野菜づくりを進めることにしました。団塊の世代のリタイア問題をマスコミなどは扱っていますが、それは男の問題としているのに対し、農村ではパート勤めをリタイアした女性も、次の仕事を探っています。そこに着目して、野菜づくりに引き込む作戦です。自分の食べ物は自分の手で作るようにと。
 今の時代、女は姑から物を教わりたくないのです。そこには古めかしい、嫁とはこうあるべきなどという教訓が必ず含まれているからです。姑に替わる野菜づくりの参考書を作ろうと、地域の姑世代から、現代の野菜づくりの方法を聞き取りしました。
 さすがに他人には教訓めいた話は出ませんでしたが、その代わりに、昔のいろいろな野良仕事の方法、それにまつわる行事の様子などが次々出てきました。それはとても興味深く、この地域だけにあることや、その人の暮らしのありようや人生を思わせるものなど、ぜひこのことを記録しておきたいと思いました。
mino_s.jpg それで、農作業暦「わが家の食べ物はわが家の田畑で~美濃加茂上切・大洞の農作業暦」と併せて、「ていねいな暮らしのあった頃 伊深の百姓仕事~美濃加茂上切・大洞昔の農作業暦」の2冊を、3月に発刊しました。
 現代版の暦「わが家の・・・」は、月ごとのカレンダー方式にして、余白を十分取り、メモを書きいれ、10年後には自分の暦としていただくように。昔の暦「伊深の百姓仕事・・・」は、読んで保存していただくようにとしました。
 今後は、この現代版暦を使って、「野菜づくり講座」として地域の休耕田で実習する講座を開くつもりです。また、「百姓仕事」のほうは、これからも聞き取りを続けて、書き足す改訂版を次々に出していこうと思っています。
 こんなことで、休耕田対策が解決するとは到底思えませんが、「田んぼも畑も荒れる」「若いもんは百姓もやらん」と嘆くだけよりは、話のタネにもなるし、とりわけ、当人たちが次々に夢や行動を広げて、楽しんでいるのですから、よほどいいと思います。

福田美津枝

※ 上記で紹介したものは、希望される方にお分けします。農と人とくらし研究センターnouhito@rircl.jpへご連絡ください。郵送料210円で送ります。
◆わが家の食べ物はわが家の田畑で~美濃加茂上切・大洞の農作業暦(A4版 12枚)
◆ていねいな暮らしのあった頃 伊深の百姓仕事~美濃加茂上切・大洞昔の農作業暦(A4版 28ページ)
 
次の項目をご記入の上、ご連絡ください。
1.郵便番号
2.住所
3.氏名
4.メールアドレス
5.ご希望の農作業暦及び部数
「わが家の食べ物はわが家の田畑で~美濃加茂上切・大洞の農作業暦」 _部
「ていねいな暮らしのあった頃 伊深の百姓仕事~美濃加茂上切・大洞昔の農作業暦」 _部
 
尚、ご希望部数によりまして、郵送料が変わることがあります。ご了承ください。
PR

農と人とくらし研究センター

Research Institute for
Rural Community and Life
e-mail:
Copyright ©  -- 農・人・くらし --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / Powered by [PR]

 / 忍者ブログ