農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
声で伝える食への思い
この時間には、AさんやSさんなどふるさとレポーターの方が何人かおられて、それぞれが、お話をされていました。Sさんとは市の「女性議会」でご一緒した縁で親しくなり、SさんからオフトークのIさんに紹介されたことにより、私も出させていただくことになったのでした。
1回ごとに、Iさんとの会話方式で、その季節の野菜を取り上げ、それにまつわることや、自分で実際作る料理、行事にまつわる食べ物や、地域に伝わる食べ方なども含め、誰でも作っていただけるようにと心がけて話しました。
最初は緊張して、自分でも聞けるような会話ではなく恥ずかしいものでしたが、Iさんの巧みな誘導により、少しずつ慣れてきました。地元で、JA支店とか、市の連絡所とかで出会った人が、「放送聞いてるよ」とか「あの料理作ってみたよ」などと声をかけてくださると、恥ずかしくもあり、また、いい加減な話をしないようにと戒めることにもなりました。
わが家にも有線放送は流れてきて、私の放送が始まると、あわててボリュームを落とすのですが(なぜか恥ずかしくて、家族には聞かせられない、別に都合の悪いことをいっているのではないけど)、その後に市内のお悔やみの放送が始まるので、義母はボリュームを上げ、わざわざテレビまで消してしまいます。それで、その時間帯は、ボリュームの上げ下げが激しくなります。あるときは、放送の直後に親戚から「今あんたの放送を聞いたよ」と電話が来て、その返事もしどろもどろになったことがあります。私を知っている人に聞かれることが、こんなに恥ずかしく嫌なんて、到底芸能人や有名人にはなれないです(なる気もないけど)。
2週間に1度の収録は楽しいときでした。収録後にIさんとする雑談のなかに、本当は伝えたい、深い内容もあったのです。マイクに向かっては話せないお話も。しかし時々、話す内容がまとまらず、うめきながら収録に向かったこともあります。どうしても話すことが浮かばなく、1度だけ、その日になってキャンセルしました(Iさん あの時はごめんなさい)。
そんなことも、もう思い出になるようです。オフトークの機械が老朽化したのをきっかけに、有線放送を終わりにするという通知が、先日、わが家にも届きました。せっかく慣れてきたのに残念ですが、1年間聞いていただけたことに感謝しています。「高校生の娘がよく聴いていて、あの料理を作ってなどといいます」などとおっしゃってくださった方々など、うれしい言葉をいただいて終わりにしますが、また何かの方法で、オフトークで伝えてきたことを継続していきたいと思っています。
『ひぐらし記』No.20 2008.3.10 福田美津枝・発行 より転載
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