農・人・くらし
NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム
「気違い農政周游紀行①」 部落の側から農政をみると
私は故郷を出て他所の地を30年余り旅して、無事故郷に帰還した。自分の生まれ育った部落にである。18歳までそこで過ごしたということは、私という人間の大半はきだが描くような部落で形成されたといってよい。しかし、きだのように外からの目をもって、もう一度自分が生まれ育った部落の人々のくらしを見てみようと思ったわけではない。私が再びくらし始めた生活実感の側、部落にくらす人々の精神構造の側からみたら、今の農政の姿はどのように写るのか。自分が昨年まで15年余り働いていた外の世界を、良くいえば新たな視点をもって、要するに一つの偏見をもって、もう一度ふりかえってみようと思ったのである。部落の側から農政をみたらどのように見えるのだろうか。
といっても、私が長く働いていたのは、行政改革でばっさり切り捨てられた外郭の研究機関であり、農政の末端ではないとしても、傍流に座を占めていたにすぎない。だから私が垣間みた農政の世界はごく限られた狭いものである。狭い世界ではあるが、部落の生活のなかに埋没して思い出せなくなる前に、せめて今ある記憶だけでも残しておこうと思いたった次第である。
60年前に書かれた『気違い部落周游紀行』が私には現代の日本の姿とダブってみえる。
「目を押せば二つに見えるお月さま」
片倉和人
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