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農・人・くらし

NPO法人 農と人とくらし研究センター コラム

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鳥日記 (2009.3)

 あっという間に春です。一気に春です。もう、春となると、ぐぅわーッと春です。
 2週間ほど前にウグイスの初音を聞きました。今では毎日あちこちでウグイスのさえずりがすごいです。
 春が来て、花が咲いて、鳥がさえずって、それはそれでステキなんだけど、ジョウビタキやツグミなどの冬鳥がいなくなる日が近いことでもあります。さびしいです。それに、暖かくなると虫(ハエや蚊、アブ、ハチ、ムカデなど)がわんさかと出て来るし、ヘビも嫌だし・・・。
 私の鳥狂いは日毎に度を増しています。
 人が集まる場でも、すぐに鳥の話題に行こうとするし、以前、孫の写真を持ち歩いて見せびらかしていたと同様に、今は、鳥の写真を持ち歩いて、さして興味のない人たちにまで「見る」ことを強要しているこの頃です。みんなから、「もう、病気やね」と言われてます。そして、鳥プロの○丸S子さんから「この病気に感染した人で、回復した人はいない」と言われてしまいました。
 近ごろ、雨がとても多いです。たまに、雨がやんで、青空でも見えようものなら、何か鳥が見えないものかなぁ・・・と気もそぞろです。カメラ持って出かけます。一人で行くのだから、○丸さんみたいに山奥深く分け入って・・・なんてことはしません。私、とても臆病なのです。
kurotura.jpg 2月11日の新聞に左掲の記事が載りました。すぐ、その日、クロツラヘラサギを一目見たいと、今川沿いの道を下りました。でも、場所を特定出来ませんでした。こんな記事が載ったんだから、きっとその場所に、たくさんの人が見に来ているに違いない、などと思ったけれど、それらしい人だかりはなく、あきらめて、ユリカモメの群れを撮って帰りました。
 あきらめきれずに、翌々日、再度挑戦。うろうろ、のろのろと危ない脇見運転を続けながら、もう、すっかり河口近くまで来てしまって、漁港近くになったあたりで、堤防のずっと向こうにちらっと中洲が見え、それに白いものが・・・。慌てて車を道脇に寄せ、双眼鏡で覗くと、いましたよ!広い河口付近の中央あたりに、細長く出来た中洲にクロツラヘラサギが5羽、寒風に首を縮めて身を寄せ合ってしゃがんでいました。カメラの望遠で覗くと、何とかくちばしも見えて、「見た!」記念にパチリ。
 翌日、松下竜一さんの二人芝居の慰労会が中津であり、○丸さんたちに写真を見せたら、その日のうちに「見に行く!」となって・・・。ああ、みんな病気です。
 それから、10日くらいして、税務署に青色申告をやめる手続きに行って、意外に早く終わったので、せっかく行橋まで出て来たんだから、と、また、例の中洲まで。すると!その中洲がすごいことになっていました。いろんな鳥たちが大集合の大にぎわい。もちろんクロツラヘラサギもまだいました。でも一番目立っていたこの日のスターはウミウです。真っ黒い大きな鳥が一斉に首を伸ばして海の方を見ている図が何ともカッコイイーッ!
 他にもアオサギや何種類ものカモたちが群れていて、もう、写真撮りまくりです。
 そして、何と、クロツラヘラサギが全羽パァーッと飛び立って、中洲上空をゆっくりと旋回して見せてくれたのです。「私が主役なのを忘れちゃ困るよ」といった風に。大感激ーッ!

 帰り道、ちょっと上流で、ミサゴの狩りの様子も見つけてこれもバッチリ撮れました。ミサゴというのはトビに似ているけど、頭部と腹側が白く、尾羽根がきれいな扇形に開くカッコイイ鳥です。川や池で魚を獲るのですが、その時、上空に静止して立ち泳ぎのように翼をバサバサしながら、はるか下方の水中の魚の姿を見定めて、猛スピードで水に突っ込んで、足で魚を掴むのです。その、上空でのバサバサ立ち泳ぎが感動的です。
 私はこの一月の間に4回もミサゴの狩りの場面を目撃しました。「鳥観の神様が私に降りて来た」とさえ思ってしまうくらいです。でも、それは「知らない」から「少し知っている」に変わったせいなのでしょうね。今まで、ミサゴという名も知らず、きっとトビだと思って見過ごしていたのでしょう。
 どんな用事でどこに行くにもカメラを車に積んで出かけます。完全に病気です。

渡辺ひろ子(元・酪農家)『私信 づれづれ草』NO.14(2009.3.1発行)より転載
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